2025.07.30
令和7年度第1回医療と介護の連携研修会「在宅療養者における意思決定支援を考える」をテーマに講演、事例紹介、グループワークと発表という内容で研修会を行ないました。
【テーマ】「在宅療養者における意思決定支援を考える」
【日 時】令和7年7月23日(木) 13:30~15:00
【参加者】30人(医師・保健師・訪問看護師・施設看護師・介護支援専門員・社会福祉士・行政職員)
【講 演】
三木医院院長 三木健史 先生
「在宅における意思決定支援」
【事例紹介】
ぬくもり訪問看護ステーション 管理者 沼田陽子 看護師
「在宅看取りを支える医療・介護チームの取り組み
~若年性がん患者の在宅看取り~」
【研修会の報告】
「在宅療養者の意思決定支援」をテーマに、 三木先生の講演の中では、本人や家族の病状理解の確認、さまざまな治療についてその選択をどうするのか、療養先はどこを希望するのか(本人、家族の意向は一致しているのか)等、一つひとつの確認が必要であることが分かりました。今後のことを考えながら、元気なときに家族も含めた話し合いが大事であることを再認識しました。
事例紹介では、若年がん末期の患者が在宅療養を希望し、在宅で看取りをされた事例でした。本人と家族に寄り添い、疼痛緩和に努めながら、意思決定を支援されました。身体的にも精神的にもつらい状況である本人や家族を支えることは、支援者にとってもつらく耐えがたい関わりであったと思われます。
また、この事例は若年者の在宅ターミナルケア支援事業の助成を利用されました。病院の退院前カンファレンスから、相談支援専門員の方が関わり訪問介護サービスの調整を行ないました。利用できる制度を患者・家族に提案し、負担が少なく在宅療養が継続できることは大切な支援であることも理解できました。この制度については、健康増進課の担当者より説明していただきました。
また、医師会の先生方に、各グループに入っていただき、在宅療養者の意思決定支援について意見交換を行ないました。
グループの発表では、次のような意見がありました。
・本人の思いと家族の思いが違うことがある。またその場合にはどちらの意見を優先するのか難しい。
・病状の理解ができていない場合がある。
・ACPは、元気な時に話し合っておくのが良いが、元気な時に話し合いができていない。
・意思決定を聞くときに、職種によって違いがある。ケアマネからは、切り出しにくい場合があり、主治医や訪問看護に相談している。
・がん以外のACPについては、タイミングがあるが、老衰、関わる頻度が多くなる状態、食欲低下等で考えることがある。
意思決定については、主治医を中心として多職種のチームで支援していく必要があることが分かりました。
アンケートでは、「医師や多職種との意見交換ができてよかった」「若年者の在宅ターミナルケア支援事業について勉強になった」とのご意見がありました。
今後も、研修会を通して多職種の顔の見える関係づくりに取り組んでいきたいと思います。
講師の方、参加者の皆さま、ありがとうございました。
今後とも、当センターの講習会・研修会へのご協力、ご参加をよろしくお願いします。